奈良で地球と職人と共同作業
厚くて長い鉄版を鉄工所の裏庭で雨風にさらしておくこと数か月。塗料には絶対に表現できない不思議な色と質感が特徴である赤錆の風合いが現れます。季節やその時々の自然の条件や時間によって1点として同じものはなく、鉄工所のほうからはこまめに状況を報告していただき出来上がりを楽しみに待ちます。この経年変化はまさに時と自然の織り成すアート。
心落ち着く鉄と錆の魅力
錆鉄台座のデザインの上での最大の魅力は鉄ならではの力強さと温かみ、そして錆びて経年変化(古い)しているのにモダン(新しい)であるという相反する特徴が自然にそこに在るという点です。木の台座だとどこか和風になりすぎたり、素朴になりすぎてしまう場合も、鉄の台座はその場に洗練と温かみを与え、どんな空間にもしっくりと馴染みます。
その太古の昔より鉄は人の生活に最も近い鉱物で何千年もの間私たちの生活とともにあります。人類によって製鉄された頑丈で硬い黒々とした鉄も、雨風にさらされればゆっくりと赤味を帯び、錆びながら姿を変え元の姿にもどりやがて大地に戻ってゆきます。経年変化しながらもどっしりと泰然自若としている鉄。錆鉄台座を飾るとなぜか家の雰囲気や心が落ち着くのは、そんな自然の摂理を体現しているからかもしれません。流行りの言葉でいえばSDGsでしょうか。
和の伝統を現代の生活に上手に取り入れる
現代のマンションやモダン生活様式の中に和の物をそのままいれると、すこしちぐはぐな雰囲気になるときがありますが、錆鉄台座は和の物を上手に活かすのがとても得意です。例えばお抹茶を立てる時、リビングやダイニングテーブルの上に錆鉄台座を置くとあっという間にそこが凛とした立礼の場になります。茶筅と抹茶があれば、気軽にお抹茶をいただけます。コーヒーや紅茶をいれるより実は手軽でお客様にも大変好評な錆鉄台座を使った立礼のおもてなしです。
仕様
素材; 鉄・アクリルシリコン樹脂
仕上げ:アクリルシリコン樹脂によるクリア塗装
サイズ(㎜):
・長角260 W260 x D140 x H15 約935g(2枚)
・長角320 W320 x D130 x H15 約1070g(1枚)
・長角600 W600 x D150 x H30 約2360g(1枚)
使用上の注意事項とお手入れについて
・漆器の上で鉄分を含む製品を長期間ご使用されると、漆器が黒く変色する場合があります。
これは漆の主成分のウルシオールと鉄の酸化作用によるものです。
・食品は直置きはせず、懐紙やワックスペーパー等を合わせてご使用ください。
・水分との接触、湿度の高い場所や季節等ご使用の環境、また経年変化によって赤錆が浮いてきたり、剥がれが発生する場合があります。
鉄の醍醐味でもある経年変化をそのままお楽しみいただけると幸いですが、錆の進行が気になる場合は市販のアクリルシリコンラッカー等で再コーティングしていただくと錆の進行は一旦止まります。
お手入れの仕方により風合いもそれぞれに変化していきます。
※こちらは1つ1つ手作りのため重さには若干の誤差があります
※自然の力によってできる錆は1点1点趣や色味に違いがあります