WT WELLBEING TOKYO

谷家理香氏 株式会社ウェルビーイングTOKYO代表取締役 vol.3

Date 2019.01.13

みんなのウェルビーイングとして、様々な分野で活躍されている方の考える「幸せ」や「ウェルビーイング」についてインタビューをするコーナー。WELLBEING TOKYO代表取締役の谷家理香の考える「ウェルビーイング」についてお話します。

外資系金融会社でキャリアをスタートし、その後インテリアデザイン会社を起業。15年前にヨガを始め、その後アーユルヴェーダに出会い、「アーユルヴェーダ」「ウェルビーイング」を日本に広めるためにWELLBEING TOKYOを立ち上げました。忙しくビジネスをまわす毎日の中で、自身の健康に細かく気を使い、感度の高い暮らしを送っている彼女の生き方の秘訣を聞き出すインタビューです。
【第1回】高橋百合子氏 E.OCT株式会社代表取締役
【第2回】エドワード鈴木氏 鈴木エドワード建築設計事務所代表
【第3回】日沖健氏 日沖コンサルティング事務所代表
【第4回】杉山文野氏 トランスジェンダー活動家
【第5回】Rajshree Pathy氏 Rajshree Group of Companiesチェアパーソン兼マネージングディレクター

なぜ生きるか、どう生きるか

3.あなたにとって人生の目的(目標、使命、ゴール、目指しているもの)は?

小さいころから、どうして生まれてきたのか?なんのために生まれてきたのか?と、ぼんやり考えていて、高校生のころは当時あった倫理社会の授業が好きで、哲学の本を読むことが好きでした。大学はICUだったので、キリスト教概論や学問としてのキリスト教を一通り学んだりしましたが、自分の中にはっきりとした答えは見つからず、どこかでその答えをいつも探してきた気がします。そんな中でヨガやインド哲学を学ぶ機会があり、その中で「Born to experience 体験するために生まれてきた 真我に出会うこと」という考え方が、自分の中でとてもしっくりきました。

インド哲学やヨガの考え方では、自分の気持ちをコントロールして心の波を鎮めることが重要なことだとされていて、「探し求めているものは外ではなく自分の中ある」と言っています。外に探しているうちは何も見つからずに苦しくなりますが、結局すべては自分の中にある。本当の自分っていうのは何だろう?と考えたときに、心の水面が波立っているときは本当の自分は映らないけれども、心の水面が静まったときに本当の自分「真我」が映る、というインド哲学の考え方が好きです。心の中は宇宙が全部入るくらい広いと言われていますが、どんどん自分の奥に入っていって、心の中を探していけば、本当の自分が見つかると思っています。

「自分自身はなんだろう」という問いに対して、自分は自分のままでいいんだっていうことがわかればいいなと思っています。それがヨガをしていたりするふとした瞬間に、それを実感できる瞬間があります。いろいろ突き詰めていくと、海からとった1滴はその海と同じもの。同じものの相似形、フラクタルです。宇宙は心の中にあるのであれば、宇宙も自分も結局同じもの。自分を磨いて、魂を磨くことによって、そこから根源的なものが出てくるのだと思っています。人によってそれは芸術だったりするわけですが、それが一つ生きていく上での目的にもなるのだと思っています。

 

Born to experience

ヨガの考え方の中に「輪廻転生」があります。魂自体がずっと輪廻転生しているわけですが、なぜ魂だけでなく身体を持って生まれてきたかというと、魂だけだと完璧な状態すぎてしまうので、身体が不完全な状態で生まれることによって己を探すことができ、結果的に真我にたどり着くことができる、という考え方です。宇宙と同じような完璧な真我を知るために、いろいろな経験をしていく。気づくために経験をする。「Born to experience、経験するために生まれてきた」というのは私の中ですごくしっくりする考え方でした。人生の中には大変なこともうれしいこともあります。すごくつらいことがあった場合、それに飲み込まれてしまうのではなくて、別の自分から自分を見下ろしてみるようにします。「人生は投射」という考え方です。人生のいろいろな経験は、真我を見つけるための道だと考えるようにしています。

ヨガの言葉で「求めない、比べない、期待しない」というものがあります。ただただ行いを続けていれば、ある日悟りを垣間見る瞬間が現れる。そのはっと現れる瞬間に、幸せだなと感じます。悟りを開きたいと思ったり、幸せを感じたいためにヨガをしているわけではありません。そこを目的としてしまうと、ヨガの理論に反してしまいます。日常生活の中で続けていくことが大事です。Born to experienceという意味では、日常生活で起こることが大事、ふつうが一番大事だと思っています。家族でけんかをしたとか、仕事がうまくいかないとか、そういう日常の経験の中で、幸せを感じられる瞬間を得られるようになったほうがいいと思っています。

 

Body, Mind, Sprit

4. あなたにとってWELLBEINGとは?

Body, Mind, Spritが調和していること。穏やかなエネルギーに満ちている状態。
先ほどの、心の平面が波立っていなくて、本当の自分がそこにいるというだけで幸せと思える状態がwell-beingです。つねにその状態であるわけではないけれど、その時間を少しでも垣間見れることはあります。

幸せですか?という質問をされたら、「はいそうです」と答えることはできますが、well-beingの全ての要素のバランスがずっと保たれていますか?と聞かれた場合は、「そうです」と答えることはできません。けれど、少なくともそういう状態があることを知っていて、その状態を経験したことがあるというのは幸せなことだと思います。いろいろな経験を通じて幸せな瞬間が心の中にストックされていて、その状態をいつでも心の中から取り出せるので、幸せだなと感じています。

 

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